全国人民代表大会と政治協商会議の開催まで後10日ほどとなった11日と12日、習近平中国共産党中央委員会総書記は山西省を視察しました。今年は貧困脱却に向けての攻塁攻略戦と小康社会(いくらかゆとりのある社会)の全面達成目標の最後の年です。これまでの45日間、習総書記は浙江省、陝西省、山西省を相次いで視察し、生態優先とグリーン発展がこの3回の視察で終始貫かれていたテーマでした。
3月30日、習総書記は浙江省余村を訪ねました。15年前に、中国共産党浙江省委員会書記を務めた習近平氏は、ここ余村で、「緑の水と青い山こそ金の山、銀の山である」という理念を初めて打ち出しました。これまでの15年、余村はこの理念を貫き、生態が美しく、産業が興され、民が豊かになる、持続可能な発展の道を歩んできました。汚染が深刻な村から国指定のAAAAクラスの風致地区に変身しました。2019年、村の総収入は2億8000万元に達し、小康社会の全面達成に向けた建設で手本として知られています。習総書記は再び余村を訪れ、「美しい農村づくり」のビジョンがこの村で実現されたことを高く評価したと共に、グリーン発展、持続可能な発展が新時代の中国にとって重要な意義があることを強調しました。
同じく3月の視察ですが、浙江省西渓国家湿地公園では、「観光業の発展は生態環境を犠牲してはならず、過度な商業化の開発もしてはならず、公園を市民に共有されるグリーンな空間にしなければならない」習総書記は指摘しました。
ところで、陝西省西安市所管の秦嶺北麓では、別荘が違法に建てられたことで地元の生態環境がひどく破壊されたことで、習総書記は6回にわたって重要な指示を出し、千棟余りの違法建築の徹底的整理を求めました。4月20日、習総書記は秦嶺牛背梁国家クラス自然保護区を視察した際、「秦嶺の違法建築は大きな教訓である」と再び指摘しました。
5月12日の山西視察では、習総書記は太原市の市街地区を流れる汾河区域及びその支流である8本の河川に関する総合対策、流域の生態修復などについて、地元の責任者の報告を聴取し、汾河沿岸の生態環境に見られた変貌に安堵の気持ちを見せました。習総書記は「汾河の環境対策は山西省の生態環境の保護や経済発展にかかわるだけでなく、太原市ひいては山西省の歴史や文化の伝承にも関わっているものだ」と指摘しました。
中国共産党第十八回全国代表大会の後、習総書記は生態環境を深刻に損害する事件について重要な指示を下し、厳しく処罰するよう求めています。習総書記は「これらの取り組みはいずれも、中華民族の長期的な発展に着眼し、中国共産党創立100周年(2021年)、中華人民共和国建国100周年(2049年)」という『二つの百年』に、『小康社会』全面達成(2020年)、『社会主義現代化』(2035年)を実現し、21世紀中頃を目途に中国を『富強・民主・文明・調和の取れた美しい社会主義現代化強国』に築き上げる目標の実現を確保するためのものだ」と強調しました。
この3省の視察は、「どんなに困難な情勢であっても、どんなに厳しい挑戦であっても、新時代の中国は始終、グリーン発展の道に沿って揺るぎなく歩んでゆく」というシグナルを世界に明確に発信しています。
「中国国際放送局日本語版」2020年5月14日